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飲食店の居抜き物件、そのまま使える設備と、替えたほうがいい設備

飲食店の居抜き物件は、前のお店の厨房や設備が残っているぶん、初めの工事を抑えられるのが魅力です。内装の雰囲気を少し変えるだけで開業できそうに見える物件もあります。
ただ、見た目がきれいでも、壁の中や天井裏、床下の状態は見ただけでは分かりません。前のお店と業態が違えば、必要な設備の大きさも変わります。
ここでは、居抜きの飲食店で「そのまま使えるか」を判断するときに、現場で見ているところを挙げます。
厨房機器は、動くかどうかより、合うかどうか
残っている厨房機器が動くかどうかは、確認の入口にすぎません。大事なのは、新しいお店のメニューと仕込みの量に合っているかです。
冷蔵庫や製氷機、食器洗浄機などは、古くなると修理の部品が手に入らないことがあります。リースの機器が残っている場合は、持ち主が誰なのかも確認が要ります。
そのまま使う機器、入れ替える機器、撤去する機器を分けると、見積の項目が整理できます。撤去にも処分の費用がかかるので、使わないものを置いておくか運び出すかも、金額に関わります。
機器を入れ替えるときは、大きさが変わると給排水やガスをつなぐ位置もずれることがあります。機器の代金だけでなく、つなぎ直す工事が見積に出てくるのはそのためです。
給排気は、業態が変わると足りなくなる
見落としやすいのが、排気と給気です。焼き物や揚げ物が多いお店では、前のお店より大きな排気が必要になることがあります。
排気を強くすると、そのぶん外の空気を取り入れる給気も必要になります。給気が足りないと、扉が重くなったり、においが客席に流れたりします。ダクトの経路を変えるとなると天井を開ける工事になり、金額が大きく変わるところです。
フードやダクトに油が溜まっている場合は、清掃も必要です。火を使う設備のまわりは消防の決まりにも関わるので、管轄の窓口への確認が要ります。
排気ダクトが外へ出る位置は、建物の作りや取り決めで動かせないことがあります。物件を見る段階で、ダクトがどこから外へ出ているかを確かめておくと、後で慌てずに済みます。
グリストラップと床は、開けてみないと分からない
グリストラップは、排水に含まれる油を分けて溜めておく設備です。残っていても、清掃されないまま長く置かれていると、においや詰まりの原因になります。
新しいお店の使い方に合う大きさか、床下の排水管に問題がないかも見ておきたいところです。排水管の詰まりや傷みは、床を開けて初めて分かることがあります。
厨房の床は、水と油を長く受けてきた場所です。表面がきれいでも、下の防水や下地が傷んでいることがあります。見積では、こうした部分を「開けてから判断」として分けておくことがあります。
電気とガスの容量は、最初に確認する
電気の容量が足りないと、機器を増やしたときにブレーカーが落ちます。契約の容量を上げるだけで済む場合もあれば、分電盤や建物側の設備から工事が要る場合もあります。照明や空調を入れ替えるときも、容量に関わってきます。
ガスも同じで、コンロや給湯器を増やすなら、今の配管とメーターで足りるかを確かめる必要があります。電気とガスの工事は、建物側や供給する会社との調整で日数がかかることがあるので、早めに確認しておくと工期が読みやすくなります。
見積では、電気やガスの工事が「設備工事」として一式で書かれることがあります。どの機器のための工事なのかを明細で確かめておくと、ほかの見積と比べやすくなります。
物件を決める前の段階でも、ご相談ください
居抜きの判断は、契約の前に設備を見ておくほど、あとで慌てずに済みます。前のお店がどんな業態だったかと、新しいお店で何をつくるかをお聞かせいただければ、確かめるべき設備が絞れます。物件が決まる前の段階でも、使えるもの、替えたほうがいいものを整理するところからお手伝いします。
現地を拝見してから、明細でお見積りをお出しします。お見積りは無料です。居抜きにするかスケルトンにするかで迷っている場合は、別のコラム「居抜きで借りるか、スケルトンで借りるか」も参考にしてください。お問い合わせはフォームからどうぞ。
代表取締役社長 佐藤 繁(1級建築施工管理技士)



