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石膏ボード、天井と壁で厚みが違うのはなぜか

店舗やオフィスの壁と天井は、ほとんどが石膏ボードでできています。表面にクロスを貼ったり塗装したりするので、普段は目に入りません。
同じ石膏ボードでも、天井と壁では厚みの違うものを使うのが一般的です。このコラムでは、その理由をご説明します。
石膏ボードとは
石膏を板状に固め、両面を紙で包んだ建材です。別のコラム「見積書に出てくる「軽天」とは何か」でご説明した骨組みの上に、ビスで留めて張ります。
石膏は中に水分を含んでいて、火にあたると水分を出しながらゆっくり温度が上がります。そのため燃えにくいのが大きな特徴です。ビルの中の店舗やオフィスでよく使われるのはこのためです。
「9ミリ」「12ミリ」は、実際には9.5と12.5
見積書や現場の会話では、石膏ボードを「9ミリ」「12ミリ」と呼ぶことがよくあります。見積書にも「t=9mm」「12mmボード」と書かれます。tは厚みを表す記号です。
実際の製品の厚みは9.5ミリと12.5ミリです。呼び方と実物が少し違うので、図面の寸法を足し算するときは実物の厚みで考えます。
天井には薄いものを使う
天井には、9.5ミリの薄い石膏ボードを使うことが多くあります。
理由は重さです。天井のボードは、上から吊った骨組みにぶら下がる形になります。厚いほど重くなり、骨組みにも負担がかかります。天井には人がもたれたり物がぶつかったりすることもないので、薄いもので足ります。
店舗やオフィスの天井でよく見る、細かい穴の模様が入った白い板も石膏ボードです。「化粧石膏ボード」と呼ばれ、表面にあらかじめ模様がついているので、張ったあとにクロスや塗装をしなくても仕上がります。910ミリ角の板を、マス目のように並べて張ります。
マス目の割り付けは、照明や空調の吹き出し口の位置とあわせて決めます。設備がマス目の途中にかかると見た目がそろわないため、現場で位置を調整します。
壁には厚いものを使う
壁には、12.5ミリの石膏ボードを使うのが一般的です。
理由は強さと音です。
・壁には人がもたれたり、台車や荷物がぶつかったりします。薄いと凹みやすくなります。
・厚いほうが音を通しにくくなります。部屋と部屋を仕切る壁では、ここが効いてきます。
・棚や掲示物を付ける壁では、ボードの強さが効いてきます。重いものを付ける場所には、骨組みに補強を入れておくこともあります。
「不燃」と書かれているボード
見積書に「不燃ボード」「不燃12ミリ」と書かれていることがあります。これは、燃えにくさの基準のうち、いちばん厳しい「不燃材料」に当たる石膏ボードのことです。
天井の化粧石膏ボードにも、不燃のものがあります。ある店舗の内訳では、天井は「不燃ジプトーン t=9mm」、壁と腰壁は「不燃12mmボード」でした。
建物の用途や広さによっては、内装に使える材料が決められています。どのボードを使うかは見た目では分かりませんが、建物の条件に合わせて選んでいます。
ボードの厚みは、壁の厚みにも表れる
図面の壁に「70」「90」と書かれている場合、これは骨組みとボードを足した厚みです。12.5ミリのボードを両面に張ると25ミリになるので、45ミリの骨組みなら70ミリ、65ミリの骨組みなら90ミリの壁になります。
図面の読み方については、別のコラム「図面の壁の厚み、「70」「90」「130」は何で決まるのか」に書いています。
天井と壁で厚みを変えるのは、見えないところで使い勝手と安全を両立させるためです。どの材料を使うかで気になる点があれば、お気軽にお尋ねください。
代表取締役社長 佐藤 繁(1級建築施工管理技士)



