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見積書に出てくる「軽天」とは何か

内装工事の見積書を見ると、「軽天」という言葉が何度も出てきます。「天井 軽天下地」「壁 軽天下地」といった具合です。
普段の生活ではまず使わない言葉なので、何のことか分かりにくいと思います。
このコラムでは、軽天とは何か、見積書のどこにどう出てくるかをご説明します。
軽天は、壁と天井の「骨組み」のこと
軽天は「軽量鉄骨天井下地」を縮めた呼び方です。英語の頭文字をとって「LGS」と書かれることもあります。
薄い鋼板を折り曲げて作った細長い部材で、これを組んで壁や天井の骨組みをつくります。
その上に石膏ボードを張り、さらにクロスや塗装で仕上げます。
名前に「天井」と入っていますが、実際には壁の骨組みにも使います。現場では壁も天井もまとめて「軽天」と呼ぶことが多くあります。
※AI生成によるイメージです。実際の施工写真・施工図ではありません。
木ではなく鉄を使う理由
骨組みは木でもつくれます。
住宅では今も木の下地が多く使われています。
店舗やオフィスで軽天が使われるのは、主に次の理由からです。
燃えない。ビルの中の店舗やオフィスでは、内装に燃えにくい材料を使うよう求められることが多くあります。
反ったり縮んだりしにくい。
木は乾燥や湿気で動きますが、鉄はほとんど動きません。
壁や天井にひびが入りにくくなります。
寸法がそろっている。
工場で同じ形につくられているため、まっすぐな壁を早く組めます。
見積書では、骨組みとボードは別の行になる
見積書では、軽天とボードは別々の行に分かれて書かれます。
たとえば、ある店舗の内訳では次のように並んでいました。
天井 ジプトーン下地組(親バー既存使用) 910×910 H2750
天井 不燃ジプトーン貼 910×910 t=9mm
壁 下地組 w45@450 H2750
腰壁 下地組 w45 H1100
腰壁 不燃12mmボード貼
骨組みを組む作業と、ボードを張る作業は、材料も職人の手間も別です。
そのため行が分かれています。
「同じ壁なのに2回出てくる」と感じたら、骨組みとボードの2行になっていると考えてください。
天井の行にある「親バー既存使用」は、前に入っていたテナントの骨組みの一部をそのまま使う、という意味です。
天井の骨組みは、上の躯体から吊ったボルトに「親バー」と呼ばれる太めの部材を渡し、そこに細い部材を組んでつくります。
親バーが使える状態で残っていれば、組み直す分が減ります。使えるかどうかは、現地で天井の中を見て判断します。
「w45」「@450」「H2750」の読み方
軽天の行には、短い記号がよく添えられています。
w45は、骨組みの幅が45ミリという意味です。
45ミリは住宅や、既存の壁の手前に立てる薄い壁でよく使われます。
天井の高い店舗の間仕切りでは、65ミリの骨組みを使うのが一般的です。
骨組みの幅に両面のボード分の25ミリを足したものが、図面に書かれる壁の厚みになります。
詳しくは別のコラム「図面の壁の厚み、「70」「90」「130」は何で決まるのか」をご覧ください。
@450は、縦の骨組みを450ミリおきに立てるという意味です。
「@」は間隔を表す記号です。
H2750は高さで、床から2,750ミリまで立てるという意味です。
腰壁なら「H1100」のように、腰の高さが書かれます。
単位が「㎡」と「m」で違う理由
見積書をよく見ると、同じ軽天でも、ある行は「㎡(平方メートル)」、別の行は「m(メートル)」になっていることがあります。
天井や高さのある壁は、面積の「㎡」で数えます。一方、腰壁のように高さが決まっている低い壁は、骨組みを長さの「m」で数えることがあります。
その上に張るボードは面積なので「㎡」です。
ある店舗の内訳では、腰壁の骨組みが13.61メートル、そこに張るボードが14.97平方メートルでした。
13.61メートルに高さ1.10メートルを掛けると14.97平方メートルになり、ちょうど合います。
数字どうしがつながっていれば、図面から正しく拾われているということです。
見積書を見るときは
軽天の行は、内装工事の見積書の中でも数量が大きくなりやすい部分です。
見積書を受け取られたら、軽天の行にどこの壁・天井の分か、高さはいくつかが書かれているかをご覧ください。
書かれていれば、図面と照らし合わせて確かめられます。
分からない行があれば、遠慮なくお尋ねください。一行ずつご説明します。
代表取締役社長 佐藤 繁(1級建築施工管理技士)



